暮らし
住まい、買い物、スマホ。毎日をすこし楽にする工夫。
暮らしの備えは、お金をかける前に「習慣」と「順番」で半分決まります。ここでは、電話から始まる詐欺、空き巣と押し込み強盗、地震と火事、ひとり暮らしの見守り、運転免許の返納、庭の手入れについて、今日できることと、自治体の補助や給付をまとめています。
このテーマで最初に読む記事
- 電話とATMと「警察官」——2025年の特殊詐欺は被害1,423億円、被害額の約7割が「ニセ警察」。手口の型と、今日できる備え4つ 2025年の特殊詐欺は認知件数2万7,832件、被害額約1,423億円で過去最悪。うち警察官を名乗る「ニセ警察詐欺」が件数の4割・被害額の7割を占めました。SNS型の投資詐欺・ロマンス詐欺も合わせると被害は3,000億円を超えます。手口は新しく見えても、共通するのは「電話やビデオ通話で不安にさせる」「お金を動かす・カードを渡す・ATMを操作させる」の2段です。警察庁の資料で手口の型を整理し、固定電話の国際電話を無料で止める方法、留守番電話、ATMで還付金は受け取れないという事実、家族との合言葉という4つの備えと、迷ったときの相談先(#9110・188)をまとめました。
- 空き巣と押し込み強盗から家を守る——侵入窃盗は2025年に4万7千件、一戸建ての手口1位は「鍵をかけていない」。5分の原則、道具の優先順位、自治体の補助 2025年の侵入窃盗は4万7,233件で前年より9.8%増え、そのうち住宅が1万7,152件。一戸建ての手口は「無締り(鍵をかけていない)」が最多で、次が「ガラス破り」です。侵入に5分以上かかると約7割が諦めるという調査をもとに、お金のかからない習慣(在宅中も施錠・現金を置かない・電話で資産を答えない)から、補助錠・防犯フィルム・センサーライト・録画機能つきインターホンという道具の優先順位、宅配や点検業者を装う押し込み強盗と「アポ電」への対応、東京都の区市町村経由の購入補助(新宿区の例)まで、警察庁・政府広報・県警の資料で整理しました。
- 地震のけがの3〜5割は「家具」——寝室から始める家具の固定、突っ張り棒だけでは足りない理由、自治体の無料取付け、そして感震ブレーカー 近年の地震による負傷者の30〜50%は、家具類の転倒・落下・移動が原因です(東京都防災ホームページ)。それでも家具を固定している家は4割程度にとどまります。この記事では、東京消防庁と内閣府の資料をもとに、まず「置き方」で減らす、次に「固定」で止める、の順で整理します。効果がいちばん高いのはL型金具のネジ固定、突っ張り棒(ポール式)は単独では弱く、ストッパーや耐震マットと組み合わせるとL型金具と同等になること、テレビ・冷蔵庫・食器棚の扉・ガラスの対策、自分で取り付けられない方のための自治体の無料取付け事業(東京都江東区・新宿区の例)、そして停電が復旧したときに起きる通電火災を防ぐ感震ブレーカーの4タイプと注意点までまとめました。
- ひとり暮らしの見守り——自治体の緊急通報から民間サービスまで、5つの型と「うちはどれか」の決め方 2025年に警察が取り扱った死体のうち、自宅で亡くなった一人暮らしの人は7万6,941人、うち65歳以上が5万8,919人。そのうち死後8日以上たって見つかった人は2万2,222人(内閣府推計)でした。見守りは「亡くなったあと」の話ではなく、倒れたときに早く気づいてもらう仕組みです。自治体の緊急通報システム、民生委員や地域包括支援センターなど地域の見守り、郵便局・警備会社などの訪問・電話型、センサーや家電の機器型、見守り契約+任意後見という契約型の5つに整理し、「何時間以内に気づいてほしいか」「鍵を開けられる人は誰か」「本人が続けられるか」の3問で選ぶ手順をまとめました。
かんたん診断
- 医療・介護の備えチェック高額療養費・介護保険・非課税ライン。医療と介護のお金の備えで、確かめておきたい点をチェックします。
ほかの記事(新しい順)
- 冬の暖房器具の事故——ストーブの火災、湯たんぽ・カイロの低温やけど、閉め切った部屋の一酸化炭素中毒。事故は11月ごろから増えて12月がピーク。使う前の点検と、寝る前の一手間 NITEが2024年までの5年間に集めた主な暖房器具の製品事故は596件で、毎年8割以上が火災です。電気ストーブでは内部配線や電源コードの異常、洗濯物などの接触、石油ストーブでは給油口のふたの閉め忘れや締め付け不良、ガソリンの誤給油が目立ちます。住宅火災で亡くなる人の75.6%は65歳以上。湯たんぽやカイロは44℃でも3〜4時間で低温やけどになることがあり、高齢者は重症化しやすいとされます。石油ストーブを使うときの換気、一酸化炭素中毒、リコールの調べ方もまとめました(NITE・消防庁・東京消防庁・消費者庁)。
- 点検商法とクーリング・オフ——「瓦がずれていますよ」「無料で点検します」から始まる契約。訪問販売なら書面を受け取って8日以内、はがきかメールで解約できます 突然訪ねてきた業者に「無料で点検します」と言われ、そのまま高額な工事を契約してしまう「点検商法」。相談は2025年に2万58件で、2021年の2.7倍に増えました(消費者白書)。65歳以上の相談では、手口の6位です。屋根・分電盤・給湯器・太陽光など、点検の対象は広がっています。訪問販売なら、契約の書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフ(無条件の解約)ができ、工事が終わっていても代金を払う必要はなく、元に戻してもらえます。はがきかメールでの通知のしかた、8日を過ぎても解約できる場合、相談先の188までまとめました(国民生活センター・消費者庁)。
- 家の中の転倒を防ぐ——東京消防庁管内の65歳以上の日常生活事故では「ころぶ」が最多。家の中でいちばん多い場所は居室・寝室。転倒・転落による65歳以上の死亡は交通事故の5倍以上 東京消防庁によると、令和6年に日常生活の事故で救急搬送された65歳以上は98,056人で、そのうち「ころぶ」が73,500人。住宅などで起きた「ころぶ」の9割以上は屋内で、場所は居室・寝室が29,783人と飛び抜けて多く、約4割は入院が必要な中等症以上でした。人口動態統計では、令和6年の65歳以上の転倒・転落・墜落による死亡は11,175人で、交通事故(2,103人)の5倍以上です。原因は体の衰え、病気や薬の影響、運動不足。部屋ごとの対策、薬の相談、介護保険の住宅改修や福祉用具、自治体の介護予防の場をまとめました。
- 冬の入浴事故を防ぐ——浴槽で亡くなる65歳以上は年7,363人(令和6年)、交通事故の3倍以上。脱衣所を暖める、湯は41度以下で10分まで、急に立ち上がらない。冬が来る前に家で整えておくこと 厚生労働省の人口動態統計(令和6年)では、浴槽内での溺死・溺水で亡くなった人は7,776人、そのうち65歳以上が7,363人と約95%を占め、65歳以上の交通事故の死亡者数2,103人の3倍以上です。家の浴槽の事故は11月から4月の冬季を中心に多く起きています。消費者庁は、暖かい部屋と寒い脱衣所・浴室の温度差による急な血圧の変動や、熱い湯に長くつかることによる体温上昇での意識障害を原因として挙げ、入浴前に脱衣所と浴室を暖める、湯温は41度以下・つかるのは10分までを目安に、浴槽から急に立ち上がらない、食後すぐ・飲酒後・薬を飲んだ後の入浴を避ける、同居者に一声かける、といった点を勧めています。ひとり暮らしの見守り、浴室の手すりや段差の住宅改修(介護保険で20万円まで)など、冬が来る前に整えておけることをまとめました。
- 1981年5月以前の家は「旧耐震」——能登半島地震では旧耐震の木造の19.4%が倒壊、2000年以降は0.7%。耐震診断は国と自治体で費用の3分の2、改修は定額115万円の補助と所得税・固定資産税の軽減。まず「建てた年」を確かめてください 自宅が「旧耐震」かどうかは、建築確認を受けた日が1981年(昭和56年)5月31日以前かどうかで決まります。国の推計では2023年時点で耐震性が不十分な住宅が約570万戸、戸建てでは約450万戸。2024年の能登半島地震の悉皆調査では、旧耐震の木造の倒壊・崩壊が19.4%だったのに対し、1981〜2000年は5.4%、2000年以降は0.7%。一方、自治体の補助で耐震改修した旧耐震の木造38棟に倒壊はありませんでした。国の支援(令和8年度)は、耐震診断と補強設計に国と自治体で費用の3分の2、耐震改修に定額115万円(多雪区域140万円・密集市街地175万円)。加えて所得税の特別控除(工事費の10%・最大25万円、令和10年12月まで)と固定資産税の1年間2分の1減額(令和13年3月まで)、70歳以上は無利子になる融資も。建てた年の確かめ方から、自治体の窓口に聞く順番までまとめました。
- 高齢者の防災——備蓄は「最低3日、できれば1週間」、危険な場所にいる人は「レベル3」で動く、そして「名簿を確かめる」。2026年5月から気象庁の情報名にレベルの数字がつきました。在宅避難・避難所・助けを呼ぶ備えの3つを、今日できる順に 災害への備えを、高齢者の暮らしに合わせて3つに分けました。①在宅避難の備蓄——飲料水は1人1日3リットル、食料とあわせて最低3日分・できれば1週間分(首相官邸・内閣府)、トイレは1人1日5回が目安(内閣府ガイドライン)、常備薬・お薬手帳・眼鏡・入れ歯・補聴器の電池。②避難——5段階の警戒レベルのうち「レベル3 高齢者等避難」が、危険な場所にいる高齢者や避難に時間がかかる人の出発合図。2026年5月29日からは気象庁の情報名にも「レベル3大雨警報」のようにレベルの数字がつくようになりました。避難先は指定緊急避難場所だけでなく親戚・知人宅やホテルも。③助けを呼ぶ備え——市区町村の避難行動要支援者名簿(2013年に作成が義務化・2026年4月時点で全市町村が作成済み)と個別避難計画(2021年改正で市区町村の努力義務)、受入対象者を事前に調整した福祉避難所。安否確認の171、家具の固定、火災警報器まで、今日できる順に並べました。
- 住宅火災で亡くなる人の4人に3人は65歳以上——火災警報器の「10年交換」、寝室に付いているかの確認、消火器の期限、自治体の給付 2024年の住宅火災の死者は1,030人(放火自殺などを除く)、うち65歳以上が779人で75.6%。死因の最多は「逃げ遅れ」で約45%です。住宅用火災警報器を付けている家は死者が半減、焼損面積は6割減という消防庁の分析がある一方、本体の寿命は10年で、義務化から年数がたち交換時期を迎えた家が多くあります。設置率84.9%でも条例どおり全部の部屋に付いている家は65.8%。寝室に付いているかの確認、点検ボタンの押し方、10年交換と連動型、たばこ・ストーブ・電気・こんろの火元別の対策、住宅用消火器の期限(5年)と処分、高齢者向けの給付制度(自治体の例)、消防署員を装う訪問販売への注意までまとめました。
- 運転免許を返すか、続けるか——75歳からの更新で要る検査、返したあとの「運転経歴証明書」、車がなくなってからの移動手段 70歳からの免許更新には高齢者講習、75歳からは認知機能検査が加わり、一定の違反歴があると運転技能検査に合格しないと更新できません。返す・続けるの二択ではなく、安全装置つきの車に限る「サポートカー限定免許」という中間もあります。返納や失効から5年以内なら申請できる運転経歴証明書(公的な本人確認書類・自治体や協力店の特典の鍵)、そして車をやめたあとの移動手段(コミュニティバス・乗合タクシー・福祉有償運送・介護保険の通院介助・電動車いす)まで、警察庁・国土交通省の資料で整理しました。
- 庭の雑草と木の手入れ、いつまで自分でやるか——脚立に乗らない線引き、頼み先の4つ、訪問してきた業者の断り方 庭は放っておくと、隣家・自治体・税金の3方向に話が広がります。隣にはみ出した枝は2023年4月の民法改正で隣人が切れるようになり、雑草は自治体の条例で勧告の対象になり、空き家なら「管理不全空家」の勧告で固定資産税の軽減が外れます。一方で、脚立からの転落は60〜70代に集中し、庭木の手入れ中の事故が目立ちます。自分でやる範囲の線引き(脚立・刈払機・除草剤・暑さ)、シルバー人材センター・自治体の軽度生活援助・民間業者・介護保険の外側という4つの頼み先、見積もりの取り方、訪問してきた業者とのトラブルへの対処(訪問販売は作業後でも8日以内にクーリング・オフ)まで、国と自治体の資料で整理しました。