誠一の老後メモ

知らないと損をすることを、ひとつずつ。

PR・広告を含みます

空き巣と押し込み強盗から家を守る——侵入窃盗は2025年に4万7千件、一戸建ての手口1位は「鍵をかけていない」。5分の原則、道具の優先順位、自治体の補助

「うちには盗られるものがない」と言う方ほど、鍵をかけずに庭に出ます。ところが警察庁の集計では、家に入られる手口でいちばん多いのは、窓ガラスを割ることでも鍵をこじ開けることでもなく、鍵のかかっていない窓や玄関から入られる「無締り」です。防犯は、お金をかける前に習慣で半分決まります。

数字を確かめておきます。警察庁の「住まいる防犯110番」によると、2025年(令和7年)の侵入窃盗の認知件数は4万7,233件(前年比9.8%増)、そのうち住宅を狙ったものが1万7,152件(同7.2%増)で、発生場所でいちばん多いのは一戸建て住宅(29.1%)でした。増えているのは件数だけではありません。宅配業者や点検業者を装って家に押し入り、現金や貴金属を奪う押し込み強盗が、政府広報でも注意喚起されています。

手口の1位は「鍵をかけていない」

政府広報オンラインが警察庁の統計から整理した、住宅の種類別の侵入手口(2024年・令和6年)です。

住宅の種類1位2位3位
一戸建て住宅無締り(5,950件)ガラス破り(4,454件)ドア鍵破り(328件)
共同住宅(3階建て以下)無締り(1,483件)ガラス破り(526件)合い鍵(356件)
共同住宅(4階建て以上)無締り(671件)合い鍵(393件)ガラス破り(134件)

どの住宅でも1位は無締りです。一戸建てでは、無締りとガラス破りを足すと約83%を占めます。つまり対策の順番は、①鍵をかける習慣 → ②窓を強くする → ③その他です。ここを逆にして、高い機器を先に買っても効きません。

「5分」の原則——時間をかけさせれば、7割は諦める

都市防犯研究センターの調査(元泥棒への聞き取り)では、侵入に手間取って諦めるまでの時間は「2分を超えて5分以内」と答えた人が約51%で、5分以上かかると約7割が侵入を諦めるとされています(政府広報・千葉県警察)。この「5分」が、建物部品の防犯性能の目安になっていて、官民合同の試験で5分以上の抵抗を確認した製品にはCPマーク(防犯性能の高い建物部品)が付いています。ドア・錠・ガラス・サッシ・シャッター・窓フィルムなどが対象です。ただし、CPマークは「あらゆる状況で5分以上防ぐ」保証ではありません。

言い換えると、防犯の道具は「絶対に入れない」ためではなく、「面倒で時間がかかる家」にして、侵入を断念させるためのものです。

まず、お金のかからないこと(今日から)

  • 在宅中も鍵をかける。庭に出る、ゴミを出す、二階にいる。短時間の外出も同じです(兵庫県警察)。押し込み強盗は在宅中に来ます。
  • 家に必要以上の現金を置かない。強盗が狙うのは家の現金です(政府広報)。
  • 電話で在宅状況・家族構成・資産状況を聞かれても答えない。役所・警察・金融機関を名乗る電話で資産や現金の有無を聞き出し、その後に押し入る「アポ電強盗」があります。固定電話は留守番電話にし、名乗ってから出る。聞かれたら切る。犯人が家に来ている・侵入されそうなど緊急なら110番、緊急でない不審電話の相談は#9110へ(佐野市の注意喚起・特殊詐欺の備え)。
  • 訪問者にすぐドアを開けない。ドアスコープかインターホン越しに確認し、開けるならチェーン(補助錠)をかけたまま。役所・警察・点検業者と名乗っても同じです。宅配は置き配や非対面受け取りを使い、誰からの荷物かを確認してから(兵庫県警察)。
  • 留守を知らせない。旅行や外出の予定を、SNSや写真で出さない。郵便物をためない。
  • 窓の近くに足場になるものを置かない。物置・脚立・ゴミ箱は2階の窓への足場になります。

道具の優先順位——安いものから、効くものへ

優先道具何に効くか注意
1窓の補助錠クレセント錠を外されても、もう1つ開けないと窓が動かない。手口2位のガラス破りに「時間がかかる」安価で工事不要のものが多い。1階の窓と、ベランダ・足場のある2階の窓に
2防犯フィルム(窓ガラス)割っても穴が開きにくく、手を入れて鍵を開けるのに時間がかかる錠の付近だけ部分的に貼っても効果が薄い。ガラス全面に貼る。CP部品としての性能を求めるなら、専門業者の適切な施工(水抜き・養生)が条件(警察庁)
3玄関のツーロック玄関の錠を2つにして、侵入に手間と時間をかけさせる賃貸は管理会社に相談。CP部品の錠なら5分の目安を満たす
4センサーライト・防犯砂利暗がりと静けさをなくす。人が近づくと光る・音がする電池式・ソーラー式なら工事不要。庭の裏側・勝手口に
5録画機能つきインターホン訪問者の顔が残る。宅配・点検業者を装う押し込み強盗と、しつこい訪問販売への抑止後付けの無線式もある。既存の配線を使う機種は電気工事が要ることがある
6防犯カメラ「撮られている家」に見せる。録画は事件後の証拠にも自治体によっては補助対象。設置位置は隣家のプライバシーに配慮

相場の金額はこの記事には書きません。同じ「補助錠」でも数百円のものから工事つきのものまで幅があり、出典つきで示せる相場が無いからです。補助錠は安価で工事不要の製品もあり、今日できます。防犯フィルムは、CP部品としての性能を求める場合はガラス全面への適切な施工が必要なので、専門業者に相談し、補助の対象かを確かめてから見積もりを取ります。3〜6も補助を確かめてから、という順番でよいと思います。

通販で買える製品の例を挙げます(PR)。ほかにも同様の製品は多数あるので、窓のサッシの形・ガラスの種類・設置場所の電源を確かめて選んでください。

窓の補助錠(優先1)

飛散防止フィルム(簡易・CP認定品ではありません)

次の2点はCP認定品ではなく、CP部品と同等の防犯性能を示すものではありません。厚さや貼り方がCPの条件(350μm以上の厚み・一枚全面貼り・認定施工)を満たさないためです。割れたガラスの飛散を抑える簡易な備えとして、また「フィルムが貼ってある窓」に見せる目的で使うものと考えてください。高い防犯性能を求める場合は、CP対象製品を専門業者に一枚全面貼りで施工してもらいます。透明な平板ガラス用が多く、型板ガラスや網入りガラスには貼れないものがあります。

センサーライト(優先4)

手口1位の「無締り」は、道具で減らすこともできます。スマートロックは、ドアが閉まると自動で施錠する「オートロック」で鍵のかけ忘れを減らし、顔認証や暗証番号・カードで開けるので鍵の持ち歩きも不要になります。既存のドアに穴を開けず、ネジ止めで取り付けて原状回復できる製品もありますが、対応は機種と取り付け方によるので、賃貸では管理会社・貸主に確認してから選びます。たとえばEPIC(顔認証・暗証番号・カードなどに対応し、原状回復できるタイプがあるスマートロック)(PR)のような製品があります。ほかにも同様の製品は複数あるので、電池が切れたときの開け方(非常用の物理鍵・外部給電)と、自宅のドアの形状に付くかを必ず確かめてください。ただしオートロックは、鍵を持たずにゴミ出しに出て締め出される事故の元にもなるので、暗証番号か非常用の鍵を家族で共有しておきます。

防犯カメラ(優先6)は、機器の選定と取り付け位置で効き目が変わるので、設置まで頼む方法もあります。たとえば防犯カメラ設置110番(PR)のような設置業者の紹介・見積もりサービスがあります。ほかにも同様のサービスは複数あるので、必ず複数社の見積もりを取り、自治体の補助の対象になるか、購入前の申請が要るのか購入・設置後に申請するのかを確かめてから契約してください。

自治体の購入補助——東京都は区市町村経由

東京都は2026年度(令和8年度)も「防犯機器等購入緊急補助事業」として、区市町村が行う個人宅向けの防犯機器購入補助に対して補助しています。都民が申請するのは区市町村で、対象機器・補助額・受付期間は区市町村ごとに違います。例として新宿区は、防犯カメラ・カメラ付きインターホンなど5品目を対象に、購入・設置費用の2分の1(上限2万円)を補助し、受付は2026年5月1日から2027年1月31日まで(1世帯1回、令和7年度に受けた世帯は除く)。

東京都以外でも、防犯カメラや録画インターホンの購入補助を持つ自治体があります。「防犯機器 補助 ○○市」で検索するか、市区町村の防犯・生活安全の担当課に聞いてください。買う前に申請の条件(領収書・写真・申請期間)を確認するのが、補助を取り逃がさないコツです。

「防犯診断します」と訪ねてくる業者に注意

強盗の報道が続くと、「無料で防犯診断します」「この地域で被害が出ています」と訪ねてきて、高額な機器や工事を契約させる訪問販売が増えます。警察や自治体が個別の家を回って機器を売ることはありません。家に来た業者との契約は訪問販売にあたり、原則として書面を受け取ってから8日以内ならクーリング・オフできます。迷ったら消費者ホットライン188へ。防犯の相談自体は、最寄りの警察署か#9110(事件・事故が起きる前の相談用)で無料で受けてもらえます。侵入されそう・犯人がいるなど緊急のときは110番です。

順番

  1. 今日:在宅中も施錠する。固定電話を留守番電話にする。現金を家に置いていないか見直す。
  2. 今週:1階と足場のある2階の窓に補助錠を付ける。窓の外の足場をどける。
  3. 今月:自治体の補助を調べ、購入前の申請が要るのか購入後に申請するのかを確かめてから、録画インターホンや防犯フィルム(専門業者の全面施工)を検討する。
  4. 家族と:「役所や警察を名乗る電話には資産を答えない」「訪問者にはドアを開けない」を、本人と家族で決めておく。

侵入窃盗の統計が教えているのは、犯人は「入りやすい家」を選んでいるということです。鍵をかけ、窓に一手間かけ、電話で答えない。この3つで、選ばれにくい家になります。

あわせて読む

電話から始まる被害は電話とATMと「警察官」——特殊詐欺の手口と備え、家の中の備えは地震のけがの3〜5割は「家具」——家具の固定と感震ブレーカー、ひとり暮らしの見守りはひとり暮らしの見守りをどうぞ。

「うちの自治体の補助を知りたい」「この機器はどう選ぶ」という声は、質問・リクエスト箱から教えてください。

出典

この記事は警察庁・政府広報・都道府県警察・自治体の公開資料をもとにした一般的な情報です。防犯機器の効果は取り付け方や住まいの状況で変わり、どの対策も侵入を完全に防ぐものではありません。購入補助の有無・条件は自治体ごとに異なり、年度で変わります。犯人が家に来ている・侵入されそうなど緊急のときは110番、緊急でない不審な電話や防犯の相談は#9110へ、契約のトラブルは消費者ホットライン188にご相談ください。記事中の製品・サービスは広告を含む一例で、ご自身の住まいに合うかを確かめたうえで、複数の製品・業者を見比べてお選びください。