誠一の老後メモ

知らないと損をすることを、ひとつずつ。

ねんきん定期便の見方——50歳未満の見込額は「これまでの実績」だけ、50〜59歳は「60歳まで同じ条件で加入し続けたら」。確かめる4か所と、記録の「もれ」を見つけたとき

誕生月になると、日本年金機構から「ねんきん定期便」が届きます。数字がたくさん並んでいて、どこを見ればいいのか分かりにくい——けれど、老後のお金を考えるときに自分の年金の数字がいちばん確かに分かる書類です。

大事なのは、50歳未満と50〜59歳で「見込額」の意味が違うことです。この記事は、その違いと、確かめたい4か所、記録に「もれ」があったときの手続きをまとめます。国の目安の額は年金はいくらもらえるかに書きました。

いつ、どんな形で届くか

ねんきん定期便は、年金に加入している人に毎年送られます。すでに年金を受け取っている人には、直近1年間に加入期間(被保険者期間)がある場合に届きます。誕生月の2か月前に作られ、誕生月に届くように送られます(1日生まれの人は、誕生月の前月に届きます)。

年齢形主な中身
50歳未満(35歳・45歳以外)はがき保険料納付額、最近の月別状況(直近13か月)、年金加入期間、これまでの加入実績に応じた年金額
50歳以上(59歳以外)はがき保険料納付額、最近の月別状況(直近13か月)、年金加入期間、老齢年金の種類と見込額
35歳・45歳封書これまでの年金加入履歴、全期間の月別状況
59歳封書年金加入履歴、全期間の月別状況、老齢年金の種類と見込額
年金を受け取っている人(直近1年間に加入期間がある場合)はがき最近の月別状況(直近13か月)、保険料納付額、年金加入期間

35歳・45歳・59歳の節目の年は、これまでの全期間の記録が届きます。ねんきんネットで郵送を不要にしている人にも、この3つの年だけは送られます。とくに59歳の封書は、年金を受け取る前に記録を点検する最後の大きな機会です。

「見込額」の意味は、50歳を境に変わる

表示されている額読み方
50歳未満定期便を作った時点までの加入実績で計算した年金額(年額)ここから先に働いて保険料を納める分は入っていない。今後の加入に応じて増える
50〜59歳いま加入している年金制度に60歳まで同じ条件で加入し続けたと仮定した、65歳からの見込額60歳まで今と同じ働き方・給料が続く前提。早く辞める・給料が下がると、これより少なくなることがある
60〜64歳作成時点の加入実績に応じた、65歳からの見込額60歳以降も厚生年金に入って働けば、その分は後から加わる

40代で届いたはがきの額を見て「これだけ?」と驚く方がいますが、それは今日までの実績だけで計算した額だからです。逆に、50代の見込額は「60歳まで今のまま」という仮定の額なので、早期退職や役職定年で給料が下がる予定があるなら、少し割り引いて見る必要があります。日本年金機構も、実際に受け取る額は今後の制度改正や加入状況などで変わるので、目安として参考にと説明しています。

確かめたい4か所

1. これまでの年金加入期間——120月あるか

老齢年金を受け取るには、原則として120月(10年)以上の受給資格期間が必要です。表示されるのは作成日の前々月までの月数です。国民年金・厚生年金などの合計のほか、合算対象期間(いわゆるカラ期間)という欄もあり、これは年金額には反映されませんが、受給資格期間には数えられます。

2. これまでの保険料納付額——本人が払った分だけ

ここに書かれているのは、自分が負担した保険料の累計です。厚生年金の保険料は会社と半分ずつ負担していますが、会社が負担した分は含まれていません。「払った額に比べて年金が少ない」と感じるときは、この点を思い出してください。手元の給与明細の保険料と照らし合わせて確認できます。

3. 最近の月別状況——給料の額と納付の記録

はがきには、直近13か月の記録が並びます。厚生年金なら、標準報酬月額(給料をもとに決まる、保険料と年金の計算の基準)が実際の給料とかけ離れていないか、国民年金なら納付済みになっているかを見ます。

4. 見込額——繰下げと、働きながらの場合

はがきの表には、受け取りを遅らせた(繰下げた)場合の増え方も書かれています。70歳を選ぶと65歳と比べて42%増、75歳なら84%増(最大)です。ただし65歳以降も厚生年金に入って働く場合は、在職中に止まる分(在職支給停止額)を差し引いた額が、繰下げで増える計算の対象になります(在職老齢年金、繰上げ・繰下げ)。

もうひとつ。見込額は、税金や保険料を差し引く前の額です。実際の振込額は、年金から天引きされる介護保険料・国民健康保険料(または後期高齢者医療の保険料)・税金などがある場合、その分だけ少なくなります(天引きには条件があり、自分で納める場合もあります)。手取りに直すには年金の手取り計算と年金の天引きをどうぞ。

記録に「もれ」「誤り」がありそうなとき

転職が多かった、旧姓で働いていた時期がある、学生のころの国民年金が気になる——そんな方は、加入履歴を1行ずつ見てください。「もれ」や「誤り」があると思ったら、お近くの年金事務所に問い合わせます。

  • 35歳・45歳・59歳の封書には「年金加入記録回答票」と返信用封筒が入っています。必要なことを書いて返送するか、年金事務所に出します
  • もれや誤りがなければ、返送は要りません
  • 日本年金機構の調査で確認できなかった場合は、厚生労働省に訂正の請求をすることもできます

会社員時代の企業年金や、転職前の企業年金の記録は、ねんきん定期便とは別の窓口です(65歳までに必ずやる手続き)。

もっと詳しく——ねんきんネットと公的年金シミュレーター

  • ねんきんネット——日本年金機構のサービスで、24時間いつでもスマートフォンやパソコンから記録を見られます。登録は、マイナポータルと連携するか、ユーザIDを取得するかの2つ。電子版の定期便は郵送より1か月ほど早く見られます。見込額の試算では、今後の働き方、受け取る年齢、未納分を今後納めた場合などの条件を変えて計算できます(年金見込額の試算機能は、75歳以上の人は使えません)
  • 公的年金シミュレーター——厚生労働省のサービスで、IDやパスワードなしで、定期便の二次元コードから簡単に将来の年金額を試算できます。入力した個人情報は記録・保存されません。2026年4月からは、障害年金とiDeCoの試算機能も試験的に加わりました。ただし、実際の年金額と必ずしも一致しないことは、厚生労働省も注意書きしています

今日できること

  1. 引き出しにしまった定期便を出して、自分が50歳未満か、50〜59歳かで見込額の意味を確かめる
  2. 加入期間が120月あるか、転職・結婚の時期の記録が抜けていないかを見る
  3. 50代なら、早期退職や給料が下がる予定を考えて、見込額を少し割り引いて見る
  4. ねんきんネットか公的年金シミュレーターで、受け取る年齢を変えた試算をしてみる
  5. 見込額を手取りに直して、老後資金の計算に入れる

見込額を、老後の計画につなげる

手取りに直すなら年金の手取り計算、受け取る年齢を比べるなら繰上げ・繰下げ 損益分岐、国の目安と比べるなら年金はいくらもらえるかへ。必要な額は老後資金はいくら必要か、相談先は老後のお金は誰に相談するかをどうぞ。

「定期便のここが分からない」という声は、質問・リクエスト箱から教えてください。

このテーマをまとめて読む:年金のまとめ/老後資金のまとめ

出典

この記事は、日本年金機構と厚生労働省の公表資料にもとづく一般的な情報です。定期便の様式や表示内容は、年齢や加入している制度、送付の年度によって異なります。ご自身の年金の見込額や記録については、ねんきんネット、または年金事務所でご確認ください。