誠一の老後メモ

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「働くと年金が減る」基準が51万円→65万円に——在職老齢年金の改正を計算例で確かめる

働きながら年金を受け取っている方の「働くと年金が減る」仕組み——在職老齢年金の基準額が、令和8年4月から月51万円→65万円に引き上げられました。届出は不要で、自動的に新しい基準で計算されています。

ただし、この改正が関係あるのは全員ではありません。この記事では、しくみと対象になる条件、いくら変わるのかの計算例、そして確認の手順を見ていきます。

▶ この内容は動画でも解説しています:在職老齢年金の基準額引き上げ(YouTube)

在職老齢年金のしくみ

在職老齢年金とは、働きながら老齢厚生年金を受け取っている人について、給料と年金の合計が基準額を超えた場合に、年金の一部(または全部)が支給停止になる仕組みです。計算式はこうです。

支給停止額(月)=(年金の基本月額 + 総報酬月額相当額 − 基準額)÷ 2

「総報酬月額相当額」は、月給にボーナスの12分の1を足した金額です。そして大事な点がひとつ——停止されるのは老齢厚生年金だけで、老齢基礎年金はいくら給料があっても減りません。

対象になるのは、3つ全部に当てはまる人だけ

  1. 厚生年金に加入しながら働いている(パート・アルバイトでも勤務先の社会保険に入っていれば該当。自営業・フリーランスは対象外)
  2. 老齢厚生年金を受け取っている(または受け取る権利がある)(老齢基礎年金だけの方は対象外)
  3. 給料と年金の合計が基準額を超えている(令和8年3月までは月51万円、4月からは月65万円)

ひとつでも当てはまらなければ、この改正は直接関係ありません。

いくら変わるのか——3つの計算例

ケース(給料+年金の月額合計)改正前の停止額改正後の停止額変化
合計62万円(給料50万+年金12万)月5万5千円0円年66万円戻る
合計70万円(給料58万+年金12万)月9万5千円月2万5千円年84万円の改善
合計51万円以下0円0円変化なし

整理すると——合計51万円以下の方はもともと停止がなく、変化なし。51万円超〜65万円以下の方は停止がゼロになり、いちばん大きな恩恵を受けます。65万円超の方も停止額は大きく減ります。

手続きは不要。ただし確認は自分で

この改正は自動で適用されるので、届出も年金事務所に行く必要もありません。ただし、自分が対象か・いくら変わるかは、自分で確かめる必要があります。

  1. ねんきんネットで年金の見込額を確認する
  2. 直近の給与明細から、ボーナス込みの月額換算(月給+賞与÷12)を出す
  3. 2つの合計が月65万円を超えるかどうかを見る

年金は偶数月に2ヶ月分まとめて振り込まれます。給料やボーナスが変動する方は、月によって基準を超えたり超えなかったりするので、年間を通して見てください。

なお、「月数万円のパートで年金が減るのでは」と心配される方がいますが、基準は合計で月65万円です。パート程度の収入で年金が止まることは、まずありません。年金14万円の現実の記事で「65歳以降も働く」を対策に挙げたのは、この前提があるからです。

ご自身の数字で確かめる

在職老齢年金の計算機に給料と年金額を入れると、支給停止額の目安と改正前後の差がその場で分かります。あわせて手取りがいくらになるか受け取り開始をいつにするかの記事もどうぞ。

この記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。制度や手数料は改定されることがあります。実際のご契約にあたっては、必ずご自身で最新の条件をご確認ください。