誠一の老後メモ

知らないと損をすることを、ひとつずつ。

65歳からのインフルエンザと新型コロナの定期接種——2026年度の秋冬。どちらも年度に1回、受けるかどうかは本人の希望。自己負担は自治体ごとで、コロナは国の助成がなくなってから差が大きく

秋になると、市区町村の広報やホームページなどで、インフルエンザと新型コロナの予防接種の案内が出ます(個別の通知を送らない自治体もあるので、自分でも確かめてください)。65歳以上の人には、どちらも「定期接種」として、自治体の助成を受けて受けられる仕組みがあります。

先にお断りします。体のことは、かかりつけの医師にご相談ください。この記事は制度の説明で、接種を勧めるものでも、勧めないものでもありません。帯状疱疹のワクチンについては帯状疱疹ワクチンの定期接種に書きました。

対象になるのは誰か

インフルエンザも新型コロナも、対象は同じです。

  • 65歳以上の人
  • 60〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に障害があり身の回りの生活が極度に制限される人、またはHIVによる免疫の機能の障害で日常生活がほとんど不可能な人(おおむね身体障害者手帳1級に相当)

この2つは予防接種法の「B類疾病」の定期接種です。子どもの予防接種(A類)と違い、接種を受ける法律上の義務はなく、努力義務もありません。厚生労働省は、本人が希望する場合に接種を行うものとし、希望する人はかかりつけの医師とよく相談のうえ、受けるかどうか判断するよう案内しています。

いつ受けるか——どちらも年度に1回

インフルエンザ新型コロナ
回数毎年度1回毎年度1回
時期秋冬。流行が始まる前、12月中旬ごろまでに終えるのが望ましいとされる。期間は市区町村が決める毎年度10月1日から翌年3月31日までの間で、市区町村が決める期間

2026年度(令和8年度)の新型コロナの定期接種について、厚生労働省は8月の審議会で、10月1日から始める方向で準備していると示しています(詳細は「決まり次第案内」としています)。実際の期間は、市区町村の案内で確かめてください。

費用——自治体ごとに違い、新型コロナは差が大きい

定期接種の自己負担は、市区町村ごとに決まります。

  • 新型コロナ——2024年度は、国が市区町村に1回あたり8,300円を助成し、自己負担7,000円程度を標準とする仕組みでした(実際の自己負担は自治体ごとに違いました)。この国の助成は2025年度から行われていません。そのため、自己負担は自治体によって差が大きくなっています
  • インフルエンザ——もともと自治体ごとに決まっていて、数千円程度のところが多くなっています
2026年度の例インフルエンザ新型コロナ
東京都中野区—3,500円
東京都多摩市2,500円7,500円

(どちらの自治体も、生活保護を受けている人などは無料です。額はあくまで例で、お住まいの市区町村の案内が正です)

次の場合は、定期接種ではなく任意接種になり、原則として全額自己負担です(健康保険も使えません)。

  • 市区町村が決めた期間の外で受けた
  • 同じ年度に2回目を受けた
  • 60〜64歳で、上の障害の条件に当てはまらない

効果について、国が示していること

インフルエンザのワクチンについて、厚生労働省は、高齢者福祉施設に入所している65歳以上の高齢者では、34〜55%の発病を防ぎ、82%の死亡を防ぐ効果があったとする研究(平成11年度の厚生労働科学研究)を紹介しています。施設に入所している人を対象にした数字で、元気な高齢者全体の数字ではありません。また、接種すれば絶対にかからない、というものではないとも説明しています。

副反応と、万一のときの救済

  • インフルエンザ——接種した場所の赤み・はれ・痛みが10〜20%の人に起こり、ふつう2〜3日で消えます。発熱・頭痛・寒気・だるさなどの全身の反応は5〜10%です
  • 新型コロナ——注射した部分の痛み、疲労、頭痛、筋肉や関節の痛みなどが報告されています

定期接種で健康被害が生じ、国が予防接種との関係を認めた場合は、予防接種法にもとづく救済制度の対象になります。ただしB類の給付は、子どもの定期接種(A類)より範囲や額が限られています(医療費は入院が必要な程度の医療に限る、など)。任意接種の場合は、別の「医薬品副作用被害救済制度」の対象です。

接種のあとに高い熱が続く、息苦しい、ぐったりしているなど、いつもと違う様子があれば、すぐに医師に相談してください。

同時に受けられるか

インフルエンザと新型コロナのワクチンを同じ日に受ける同時接種は、医師が特に必要と認めた場合にできます。新型コロナのワクチンは、ほかのワクチンとの接種の間隔に制限はないとされています。同じ日にするか、日を分けるかは、医師と相談して決めてください。

もうひとつ——肺炎球菌ワクチンも変わりました

65歳の人などが対象の肺炎球菌ワクチンの定期接種は、2026年度から使うワクチンが、これまでの23価のもの(PPSV23)から20価の結合型ワクチン(PCV20)に変わりました。対象者は変わりません。帯状疱疹とあわせて、今年度自分が対象かどうかを確かめておくとよいでしょう。

今日できること

  1. 市区町村の案内(届いた通知、広報、ホームページ)で、接種の期間と自己負担額を確かめる。通知が届かない自治体もあります
  2. 持病がある、前に接種で具合が悪くなったことがある人は、かかりつけの医師に相談する
  3. 受けると決めたら、市区町村の協力医療機関に予約する(期間外は全額自己負担)
  4. インフルエンザは、12月中旬ごろまでを目安に
  5. 帯状疱疹・肺炎球菌の定期接種の対象になっていないかも、あわせて確かめる

ほかの予防接種と、医療費

帯状疱疹のワクチンは帯状疱疹ワクチンの定期接種、入院したときのお金は入院したときのお金、医療費の上限は医療費の上限へ。冬の備えは冬の入浴事故を防ぐもどうぞ。

「うちの自治体はこうだった」という話は、質問・リクエスト箱から教えてください。

出典

この記事は厚生労働省と自治体の公開資料をもとにした制度の説明で、接種の是非を判断するものではありません。持病がある方、体調がすぐれない方、過去に接種で具合が悪くなったことがある方は、必ずかかりつけの医師にご相談ください。接種の期間・費用・協力医療機関は市区町村ごとに異なるため、お住まいの市区町村の案内でご確認ください。