誠一の老後メモ

知らないと損をすることを、ひとつずつ。

帯状疱疹ワクチンが65歳から定期接種になりました——2種類の違い、対象になる年(2029年度までは5歳刻み)、費用は自治体ごと。2回打つほうは年度内に完了を

帯状疱疹は、子どものころにかかった水ぼうそうのウイルスが体の中に潜んでいて、年をとって免疫が下がったときに再び暴れ出す病気です。体の片側に帯のように水ぶくれが出て、痛みを伴います。厚生労働省の資料では、発症が最も多いのは70歳代とされ、皮膚が治ったあとも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」が日常生活に支障をきたすことがある、と説明されています。

このワクチンが、2025年4月から65歳の人などを対象に定期接種になりました。それまでは予防接種法上の任意接種で原則は自己負担でしたが(自治体によっては独自の費用助成がありました)、いまは定期接種として自治体の助成で受けられます。ただし、対象になる年が決まっていて、その年を逃すと任意接種に戻ります。この記事では、その仕組みを整理します。

先にお断りします。体のことは、かかりつけの医師にご相談ください。この記事は制度の説明で、接種を勧めるものでも、勧めないものでもありません。

対象になるのは誰か——2029年度までは「5歳刻み」

定期接種の対象は、次の方です。

  • その年度に65歳になる方
  • 60〜64歳で、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能の障害があり日常生活がほとんど不可能な方
  • 経過措置:2025年度から2029年度までの5年間は、その年度に70・75・80・85・90・95・100歳になる方も対象(100歳以上の方は2025年度に限り全員対象でした)

2030年度以降は経過措置が終わり、原則として65歳になる方と、上の条件に当てはまる60〜64歳の方だけになります。つまり、いま66歳以上の方は、2029年度までに、その年度内に70〜100歳の「5の倍数の年齢」になる年が来るかどうかが分かれ目です。

令和8年度(2026年4月〜2027年3月)に対象になる生年月日

年度内に迎える年齢生年月日
65歳昭和36年4月2日〜昭和37年4月1日
70歳昭和31年4月2日〜昭和32年4月1日
75歳昭和26年4月2日〜昭和27年4月1日
80歳昭和21年4月2日〜昭和22年4月1日
85歳昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日
90歳昭和11年4月2日〜昭和12年4月1日
95歳昭和6年4月2日〜昭和7年4月1日
100歳大正15年4月2日〜昭和2年4月1日

「年度内に迎える年齢」なので、たとえば昭和36年10月生まれの方は、2026年10月に65歳になる前の2026年4月から対象です。多くの自治体は対象者に案内のはがきを送っていますが、案内が届いていなくても対象になる資格は失われません。予診票などの必要な手続きは、お住まいの自治体に確認してください。

すでに水ぼうそうや帯状疱疹にかかったことがある方も、対象です。過去に任意で帯状疱疹ワクチンを打ったことがある方は、接種記録を持って市区町村に確認してください。

ワクチンは2種類——どちらか1種類を選ぶ

定期接種で使えるワクチンは2種類あり、どちらか1種類を接種します(組み合わせはできません)。厚生労働省の資料にある違いを並べます。

生ワクチン組換えワクチン
回数・方法1回、皮下注射2回、2か月以上あけて筋肉内注射(標準は2か月、遅くとも6か月までに2回目が望ましいとされます。免疫が低下している方などは医師の判断で1か月まで短縮可)
帯状疱疹の予防効果(接種後1年)6割程度9割以上
同(接種後5年)4割程度9割程度
同(接種後10年)7割程度
帯状疱疹後神経痛への効果(接種後3年)6割程度9割以上
接種できない方病気や治療で免疫が低下している方は不可(免疫低下の方も接種可。血小板減少症・凝固障害・抗凝固療法中の方は注意)
主な副反応注射部位の赤み(30%以上)、かゆみ・熱感・腫れ・痛み・しこり(10%以上)注射部位の痛み(70%以上)、赤み・筋肉痛・疲労(30%以上)、頭痛・腫れ・悪寒・発熱・胃腸症状(10%以上)
費用の目安(自治体の例)1回 4,500〜5,000円1回 11,000円 × 2回

数字だけ見ると組換えワクチンの効果が高く長く続きますが、2回通う必要があり、接種後の痛みや発熱などの副反応の頻度も高めで、費用も自治体の例では4倍ほどです。生ワクチンは1回で済み費用も軽い一方、効果は5年でかなり下がり、免疫が下がっている方は打てません。厚生労働省も「それぞれの特徴を参考にして、医師と相談のうえ検討してください」と書いています。持病や飲んでいる薬をかかりつけ医に伝えて、一緒に決めるのが確かです。自治体や医療機関によって扱うワクチンが違うこともあります。

まれですが、生ワクチンではアナフィラキシー・血小板減少性紫斑病・無菌性髄膜炎、組換えワクチンではショック・アナフィラキシー・ギラン・バレー症候群が報告されています。定期接種で健康被害が起きた場合は、予防接種法の健康被害救済制度の対象になります。

費用——自治体ごとに違い、非課税世帯は免除の自治体が多い

定期接種といっても無料ではなく、費用は自治体ごとに決まります。例として、大阪市は生ワクチン1回4,500円・組換えワクチン1回11,000円、仙台市は生ワクチン5,000円・組換えワクチン1回11,000円(令和8年度)。どちらの市も、生活保護世帯と住民税非課税世帯の方は、確認書類を医療機関に出せば自己負担が免除されます。お住まいの自治体の案内で、金額と免除の条件を確かめてください。非課税かどうかの目安は住民税非課税ライン 判定で分かります(大阪市・仙台市では、世帯員全員が非課税であることが免除の条件です)。

この予防接種は法律上「B類疾病」の定期接種で、受ける義務はありません。本人が希望して受けるものです。

いちばん気をつけること——組換えワクチンは「年度内に2回」

定期接種として助成を受けられるのは、対象になる年度の中(4月1日〜翌年3月31日)だけです。組換えワクチンは2か月以上あけて2回打つので、年度の終わりに1回目を打つと、2回目が4月以降にずれて定期接種の対象外になり、自治体に独自の助成がなければ全額自己負担になります。仙台市・大阪市はどちらも「令和8年度の対象者は遅くとも令和9年1月中に1回目を」と案内しています。

組換えワクチンを選ぶなら、秋までに1回目を済ませておくと、年度内に2回終える日程に余裕があります。生ワクチンは年度内に1回で完了します。

なお、長い病気で対象の年度に接種できなかった方は、「長期療養特例」として、接種できるようになった日から1年以内なら定期接種として受けられることがあります。医学的な判断が要るので、市区町村に相談してください。

まとめ——確かめる順番

  1. 上の表で、自分(や親)が今年度の対象かを見る。対象でなければ、2029年度までに、年度内に70・75・80・85・90・95・100歳になる年が来るかを見る。
  2. 自治体の案内(はがき・ホームページ)で、費用・免除の条件・実施医療機関を確かめる。
  3. かかりつけ医に、持病と薬を伝えてどちらのワクチンにするか相談する。
  4. 組換えワクチンなら、年度内に2回終わる日程で1回目を予約する。

帯状疱疹になったあとの痛みは、長く残ることがあります。痛みが強いときや長引くときは、我慢せず医師に相談してください。ワクチンは、その痛みに出会う確率を下げるための選択肢のひとつです。

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費用の免除の分かれ目になる住民税非課税ライン 判定、75歳からの医療費の割合は75歳からの医療費は1割・2割・3割のどれか、医療費の上限は高額療養費 かんたん目安計算へ。医療と介護の備えをまとめて見直すなら医療・介護の備えチェックもどうぞ。

「うちの自治体ではどうなる?」という疑問があれば、質問・リクエスト箱から教えてください。記事の形でお答えしていきます。

出典

この記事は厚生労働省と自治体の公開資料をもとにした制度の説明で、接種の是非を判断するものではありません。効果や副反応の数字は厚生労働省が各社の添付文書などから作成した資料の値で、個人差があります。持病や服薬がある方、体調に不安がある方は、必ずかかりつけの医師にご相談ください。費用・対象者・実施期間は自治体ごとに異なり、変更されることがあります。痛みが強いときや長引くときは医師に相談してください。