誠一の老後メモ

知らないと損をすることを、ひとつずつ。

ショートステイ(短期入所)の使い方と費用——連続30日まで、介護する家族の休息にも使える。介護費は1割なら1日600〜900円ほど、食費・滞在費は別。2026年8月から食費の負担限度額が変わりました

「親の介護で、数日でいいから休みたい」「冠婚葬祭や入院で、家を空けなければならない」——そういうときに使えるのが、介護保険のショートステイです。施設に短い期間泊まって、食事や入浴などの介護を受けられます。

この記事は、ショートステイの種類、使える日数の決まり、費用(介護費と食費・滞在費)、申し込みのしかたのまとめです。施設に入るかどうかを考える前の「在宅で続けるための道具」として、施設に入る前に、まだできることと合わせて読んでください。

2つの種類

種類どこで受けられること
短期入所生活介護(いわゆるショートステイ)特別養護老人ホームなど入浴・食事などの日常生活の支援、機能訓練など
短期入所療養介護介護老人保健施設(老健)、介護医療院、医療機関日常生活の世話に加えて、医療・看護・機能訓練など

要介護1〜5の人のほか、要支援1・2の人も介護予防のサービスとして使えます。医療的なケアが必要な人は、短期入所療養介護のほうが合うことがあります。どちらが合うかは、ケアマネジャーに相談してください。

どんなときに使えるか——家族の休息も目的になる

厚生労働省の介護サービス情報公表システムは、ショートステイを使う例として、次のようなものを挙げています。

  • 家族(介護者)の病気、冠婚葬祭、出張
  • 家族(介護者)の身体的・精神的な負担の軽減

つまり、「用事があるとき」だけでなく、介護する家族が休むために使うことも、制度が想定している使い方です。運営の基準にも、利用者の家族の身体的・精神的な負担の軽減を図ることが書かれています。厚生労働省の資料では、老健と介護医療院のショートステイは、利用の目的として家族の休息(レスパイト)がいちばん多いとされています。

日数の決まり——連続30日まで

介護保険で連続して使えるのは30日まで

ショートステイを介護保険で連続して使えるのは、原則30日までです。31日目は介護保険の対象にならず、全額自己負担になります(宇都宮市・水戸市など)。月をまたいでも、連続した日数は通算して数えます。

「認定期間のおおむね半分」の目安

ケアマネジャーが立てる計画(ケアプラン)では、ショートステイを使う日数が、要介護認定の有効期間のおおむね半分を超えないようにする決まりがあります。ただし、厚生労働省の解釈では「機械的な運用を求めるものではない」とされ、特に必要と認められれば、半分を超えて計画することもできます。理由書が要るかどうかなどの扱いは、市区町村で違います。

長く使い続けると、介護費の単価が下がる

特養の空きを待つ間などに、ショートステイを長く続けて使う人もいます。厚生労働省の調査(2023年)では、31日以上連続して使う利用者が10.6%いて、31日以上連続して使う利用者がいる事業所で、それぞれのもっとも長い連続利用日数を平均すると443.9日でした(利用者全体の平均ではありません)。連続日数が長いほど、「特別養護老人ホームの入所待機のため」という理由が増えます。

31日目を全額自己負担の日(自費利用)にはさむなどして、同じ施設に30日を超えて続けて泊まる場合、介護保険で計算する日の単位数が下がる仕組みがあります。

  • 以前からある減算:自費利用をはさんで同じ施設を連続30日を超えて使っている人は、介護保険の日の単位数から1日30単位が差し引かれます(短期入所生活介護)。
  • 2024年度の改定で加わったもの:こうした使い方は施設に入っているのと同じ形になるため、連続61日目以降は、施設に入る場合とのつり合いをとった単位数になりました。たとえば単独型・要介護3では、通常787単位、30単位の減算後757単位、61日目以降732単位です。施設の形によっては、61日目以降の追加の引き下げはありません(併設型の多床室・従来型個室の要介護3は、減算後の715単位のまま)。

費用①——介護費(1〜3割)

介護費は、要介護度、施設の形(特養などに併設か単独か)、部屋のタイプで決まります。次の表は短期入所生活介護(特養などのショートステイ)の基本の料金で、全国の基準(1単位10円)・1割負担の1日あたりの目安です。老健などの短期入所療養介護は別の料金表で、たとえば老健(基本型・従来型個室)は要介護1〜5で1日753〜971円が目安です。

短期入所生活介護
1日あたり(1割)
要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
併設型・多床室/従来型個室603円672円745円815円884円
単独型・多床室/従来型個室645円715円787円856円926円
併設型・ユニット型704円772円847円918円987円
単独型・ユニット型746円815円891円959円1,028円

要支援の人は、併設型・多床室で1日451円(要支援1)・561円(要支援2)が目安です。2割・3割負担の人は、それぞれ2倍・3倍になります。

  • 地域で少し変わる:1単位の値段は地域によって違い、短期入所生活介護は10円〜11.10円、短期入所療養介護は10円〜10.90円で、都市部ほど高くなります。たとえば千代田区の案内では、併設型・多床室の要介護1〜5が1日670〜982円です。
  • 加算がつく:送迎を頼むと片道184単位、ケアプランにない利用を緊急に受け入れてもらうと1日90単位(原則7日まで)などが加わります。このほか、施設の体制による加算もあります。
  • 月の枠の中で使う:ショートステイも、デイサービスやホームヘルパーと同じく、要介護度ごとの1か月の区分支給限度基準額の中で使います(要介護1は16,765単位、要介護3は27,048単位、要介護5は36,217単位など)。枠を超えた分は全額自己負担です。
  • 月の上限がある:介護費の自己負担には、世帯の所得に応じた月の上限(高額介護サービス費。課税世帯の多くは44,400円、世帯全員が住民税非課税なら24,600円など)があり、超えた分は申請で戻ります。ただし、食費・滞在費・日常生活費は対象外です(千代田区・伊賀市)。

費用②——食費・滞在費は別払い

介護費とは別に、食費と滞在費(部屋代)、理美容代などの日常生活費がかかります。食費・滞在費は、基本的に施設との契約で決まります。国は平均的な費用として「基準費用額」を示しています。2026年8月からの食費は1日1,545円、滞在費は多床室915円・従来型個室1,231円・ユニット型個室2,066円(特養などの場合)です。基準費用額は請求額の上限ではありません。

住民税非課税なら、負担限度額まで下がる

世帯全員(世帯を分けている配偶者を含む)が住民税非課税で、預貯金等が基準以下の人は、市区町村に申請して負担限度額認定を受けると、食費・滞在費が次の額まで下がります。ショートステイの食費は、施設に入る場合と額が違います。

1日あたり第1段階第2段階第3段階①第3段階②
食費(ショートステイ)300円600円1,030円1,360円
(参考)食費(施設に入る場合)300円390円680円1,420円
滞在費・多床室0円430円430円530円
滞在費・従来型個室(特養など)380円480円880円980円
滞在費・ユニット型個室880円880円1,370円1,470円

2026年8月から、ショートステイの食費の負担限度額は、第3段階①が1,000円→1,030円、第3段階②が1,300円→1,360円に変わりました。所得の線も、第2段階と第3段階①の境が年金収入等80.9万円から82.65万円に変わっています。段階ごとの所得と預貯金の条件は老人ホームの費用はいくらかに表でまとめました。ショートステイを使う予定があれば、早めに申請しておくと安心です。認定がいつから効くかは、市区町村に確かめてください。

例——7日間使うと、いくらか

要介護3・1割負担、併設型の多床室、送迎を往復で頼んで7日間使う場合の試算です(1単位10円で計算。施設の加算・日常生活費は含めていません)。

負担限度額認定なし
(食費・滞在費は基準費用額で試算)
第2段階の人
介護費 745円×7日5,215円5,215円
送迎 184単位×往復368円368円
食費1,545円×7日=10,815円600円×7日=4,200円
滞在費(多床室)915円×7日=6,405円430円×7日=3,010円
合計約22,800円約12,800円

費用の半分以上が、介護保険の外の食費・滞在費だと分かります。実際の食費・滞在費は施設ごとに違うので、申し込む前に料金表で確かめてください。

申し込みのしかた

  1. ケアマネジャーに相談する——使いたい日、目的、送迎の要否を伝えます。ケアプランに入れて、施設を探してもらいます。
  2. 早めに予約する——人気のある施設は埋まりやすく、予約の受け付け開始日が決まっていることもあります。たとえば中央区の区内施設は、利用したい月の2か月前の初日から予約を受け付けています。
  3. 初めての施設は、事前に見学や面談を——持ち物、服薬の管理、夜間の対応などを確かめます。見学で聞くことは老人ホーム見学チェックリストも参考になります。
  4. 急ぎのとき——介護する人が急に入院したなど、ケアプランにない利用を緊急に受け入れる仕組みもあります。まずケアマネジャーか地域包括支援センターに連絡してください。

使う前のチェックリスト

  • どちらの種類が合うか(生活介護か、医療が要るなら療養介護か)
  • 連続30日、認定期間のおおむね半分という日数の目安に収まるか
  • 月の区分支給限度基準額の中で、デイサービスなどと合わせて収まるか
  • 住民税非課税なら、負担限度額認定を先に申請したか
  • 施設の食費・滞在費・日常生活費の料金表を見たか
  • 家族が休むための利用も、遠慮せずケアマネジャーに相談してよい

在宅で続けるための道具を、順番に

在宅で使える道具の全体は施設に入る前に、まだできること、介護の割合は介護保険の自己負担は1割・2割・3割のどれか、介護にかかるお金の全体は介護にいくらかかるか、仕事との両立は介護休業・介護休暇へ。住民税がかかるかどうかは住民税非課税ライン 判定で確かめられます。

「ショートステイをこう使っている」という話は、質問・リクエスト箱から教えてください。

このテーマをまとめて読む:老人ホームのまとめ

出典

この記事は、厚生労働省と自治体の公表資料にもとづく一般的な情報です。介護費の単位数は全国の基準(1単位10円)で示しており、実際の金額は地域区分や施設の加算、食費・滞在費の契約額によって変わります。ご自身の利用については、担当のケアマネジャーや市区町村の介護保険の窓口、地域包括支援センターにご相談ください。体の具合や医療的なケアが必要かどうかについては、医師にご相談ください。