誠一の老後メモ

知らないと損をすることを、ひとつずつ。

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施設に入る前に、まだできること——「食事の準備がしんどい」から考える在宅の道具箱

「そろそろ施設かねえ」という話は、たいてい大きな事件からではなく、小さな「しんどい」の積み重ねから始まります。毎日の食事の準備がおっくうになった。お風呂やトイレで、ひやっとすることが増えた。ひとりの時間が心配になった——。

でも、その「しんどい」の多くには、施設より手前の道具があります。この記事では、在宅の暮らしを続けるための選択肢を、しんどさの種類ごとに整理します。施設を否定する話ではありません。施設の見取り図とあわせて、選択肢を全部並べてから決めるための1本です。

① 食事がしんどい——「作らない」という選択肢

火の心配、買い物の重い荷物、栄養の偏り。食事は毎日3回やってくるので、ここがしんどくなると暮らし全体が重くなります。

  • 民間の宅配弁当・冷凍弁当——いまは種類が豊富で、減塩やたんぱく質調整など、食事制限に対応したものもあります。冷凍タイプならまとめて保存でき、食べたいときに温められます(受け取り方法や配達日時、冷凍庫の空き容量は確認を)。まずは数食のお試しから。
    たとえば、専門医・管理栄養士が監修する冷凍宅配弁当のDr.つるかめキッチン(PR)は、制限食の種類ごとにメニューが分かれており、糖尿病の食事制限向けの案内ページ(PR)もあります。ほかにも同様のサービスは複数あるので、内容と価格を見比べて選んでください。
  • 市区町村の配食サービス——自治体によっては、高齢の方向けの配食サービスがあり、手渡しの際の安否確認(見守り)を兼ねているところもあります。料金や条件は地域で違うので、お住まいの市区町村や地域包括支援センターで聞けます。

※食事制限のある方は、どの宅配を選ぶ場合も、かかりつけ医や管理栄養士に内容を伝えてから始めてください。

② 家の中が危ない——対象工事費20万円までの住宅改修

要支援・要介護の認定を受けている方は、手すりの取り付け・段差の解消・引き戸への交換・洋式トイレへの交換などの工事について、対象となる工事費20万円までを上限に、その7〜9割(最大14万〜18万円)が介護保険から支給されます(自己負担は所得に応じて1〜3割)。

大事な注意がひとつ。原則として、着工前に市区町村へ事前申請し、確認を受けてから工事を始めます。事前申請なしで着工すると、原則として支給の対象になりません。工事のあとにも、領収書などを出す支給申請が必要です。段取りはケアマネジャー(まだいない場合は地域包括支援センター)に相談すると、書類から工事業者まで案内してもらえます。

あわせて、福祉用具のレンタル(歩行器・介護ベッドなど)や、入浴いす等の特定福祉用具の購入も介護保険の対象です。ただし対象になる用具は要介護度や身体の状態で異なり、たとえば介護ベッドは要支援1・2と要介護1では原則対象外です(身体の状態による例外はあります)。購入は事前にケアマネジャー等へ相談し、指定を受けた販売事業者を使ってください。一般のお店で買うと給付の対象にならない場合があります。

③ ひとりの時間が心配——見守りと訪問の道具

  • 訪問介護(ホームヘルプ)——食事や入浴の手伝い、掃除や買い物の支援など。要介護認定を受けたうえで、ケアプランに組み込んで使います。
  • デイサービス(通所介護)——日中を施設で過ごし、食事・入浴・体操を。ご本人の気分転換と、ご家族の休息の両方になります。食事・入浴の内容は事業所によって異なり、食費などは別途負担です。
  • 見守りの道具——電気ポットや電球の使用で安否がわかるもの、緊急ボタン型など民間サービスも豊富です。前述の配食の「手渡し確認」も立派な見守りです。

順番の考え方——「まだ大丈夫」のうちに1つだけ

これらの道具は、限界が来てから慌てて探すと選べません。おすすめは、いちばんしんどいこと(多くの場合は食事)に道具を1つだけ入れてみることです。それで暮らしが軽くなれば在宅はまだ続きます。在宅の支援を試しながら、施設の情報収集を並行して進めて構いません——「道具を入れても追いつかない」と感じたときに、慌てず次へ移れます。その見極め自体、地域包括支援センター(無料)に相談できます。

介護保険のサービスが必要になりそうな方は、まず市区町村や地域包括支援センターへ相談してください。必要に応じて要支援・要介護の認定を申請します。認定を受けなくても使える支援(自治体の総合事業など)もあります。認定結果の通知は原則30日以内ですが、長くかかる場合もあるので、急ぐときは結果を待つ間の支援についても相談できます。なお、民間の宅配や見守りサービスに認定は不要です。

あわせて読む・相談する

施設も含めて選択肢を並べたい方は8種類の見取り図へ。介護のお金の入口は介護保険料の目安計算非課税ライン判定で確かめられます。

「うちの場合はどれから?」という相談は、お住まいの地域包括支援センター(無料)へ。この記事へのご質問は質問・リクエスト箱からどうぞ。

施設の入居条件・費用・サービスは、施設や自治体によって大きく異なります。契約の前に必ず書面(重要事項説明書など)で確認し、迷ったときは地域包括支援センターや担当のケアマネジャーにご相談ください。